53 真空遮断器の特徴 H22

真空遮断器(VCB)は10^{-5} MPa以下の高真空中での高い[絶縁耐力]と強力な拡散作用による[消弧能力]を利用した遮断器である.

遮断電流を増大させるために適切な電極材料を使用するとともに,アークを制御することで電極の局部過熱と溶融を防いでいる.

電極部は[真空容器]と呼ばれる容器に収められており,接触子の周囲に円筒状の金属製シールドを設置することで,電流遮断時のアーク(電極から蒸発した金属と電子によって構成される)が真空中に拡散し絶縁筒内面に付着して絶縁が低下しないようにしている.

真空遮断器は,アーク電圧が低く電極の消耗が少ないので長寿命であり,多頻度の開閉用途に適していることと,小形で簡素な構造,保守が容易などの特徴があり,24kV以下の電路において広く使用されている.

一方で,他の遮断器に比べ電流遮断時に発生するサージ電圧が高いため,電路に接続された機器を保護する目的でコンデンサと抵抗を直列に接続したもの,または[避雷器]を遮断器前後の線路導体と大地との間に設置する場合が多い.

 

解答(4)